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zoom RSS シャッターについての補足

<<   作成日時 : 2009/01/27 21:57   >>

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 数回前のブログで、フォーカルプレーンシャッターを説明しました。フォーカルというのは焦点という意味ですから、焦点面シャッターということになります。もともと、一眼レフのフォーカルプレーンシャッターというのはフィルムの直前、センサーの直前に入れますので、すなわち焦点が合う場所に入れるシャッターということが語源になっているわけです。
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 なぜ一眼レフがフォーカルプレーンシャッターを使っているかというと、ひとつは以前説明したように、1000分の一秒とか2000分の一秒というような、高速シャッターが実現できるからです。もうひとつの理由は、一眼レフでは、レンズを交換することが前提になっているからです。フォーカルプレーンシャッターに対して、コンパクトカメラなどではレンズシャッターという方式が使われます。これはレンズ群の中とか、近くにシャッターを配置する方法で、何枚かの羽根を組み合わせて、丸い(多角形)開口を作ります。
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 この方式を一眼レフに入れると、各々の交換レンズにシャッターを搭載しなければならなくなりますので、複雑になるし、高価にもなります。また、レンズシャッターというのは、原理的に高速シャッターが切れないのです。さらに、レンズを交換すると、光がフィルムに当たってしまいますので、フィルム式の一眼レフではもうひとつ別のシャッターをつけなければならなくなってしまうのです。
 一方、低価格のカメラでは、レンズシャッターを使います。構成が非常に簡単ですから、低価格で実現できるのです。また、開く大きさを変えることで絞りの役割も兼ねられるというメリットがあります。レンズシャッターの特徴といえるかどうかわかりませんが、シャッターの開閉で、閉じていたシャッターが徐々に開き、露出を終えると徐々に閉じるわけですが、ここでレンズの中心部と外周部では、露出時間に差が生じるということになります。そうすると、写真の周辺と中央で露出の差が生じるのではないかと懸念される方もおられることでしょう。結論から申し上げると、露出の差は生じないのです。実は、レンズシャッター方式の場合、シャッターを入れる場所は、瞳と呼ばれる位置に近いところに入れます。この瞳というのは人間の瞳と同じことですが、視野(視界)を制限するものではありません。人間の瞳も、明るいところでは瞳孔が小さくなり、暗い所では開いて大きくなります。しかし、この瞳孔の大きさで視野(視界)が制限されることがないというのは、皆さん経験されてますよね。つまり、瞳孔の大きさ(シャッターの穴の大きさ)は視神経(センサー)に届く光の量にのみ影響しているということですから、シャッターの羽根の位置によって、写真の中央と周辺で露出量が変わるということもないのです。
 少し専門的になってしまうのですが、この瞳の位置の像(像と言っても、被写体の形とは全く違う像です)というのは、被写体のフーリエ変換面というものです。フーリエ変換というのは、たとえば時間の流れに沿ってに入ってきた信号波形を周波数ごとの大きさに分解して解析する時などに使う手法です。わかりやすい例では、中級クラスのステレオなどには、周波数を大きくいくつかに分解して、周波数ごとの音の大きさをバーグラフで表示しているものがあります。低音を強調すると、低音のグラフの部分が少し大きくなったりします。音は耳に入ってくる空気振動なのですが、それを周波数ごとに分解して考えると複雑な音もどんな周波数の音から構成されているかがわかるのです。
 フーリエ変換とは、時間とか空間の次元の状態を周波数領域の世界に変換する方法なのです。ちょっと難しいかもしれません。もう少しです。
 それで、写真というのも、被写体を写すわけですから、ある面積をもった画像(二次元の画像)をレンズで集めて、フィルムやセンサーに投影するわけです。レンズというのは、実は瞳の位置で被写体のフーリエ変換を行っているのです。瞳の位置では周波数ごとの成分に分かれているのです。ただし、音の周波数のように聞こえる周波数ではありません。音の周波数は一次元の周波数です。しかし、画像の周波数は二次元の周波数といいます。二次元の周波数ですから、別の言葉では空間周波数とも呼ばれています。瞳の位置で周波数ごとに分かれていると申し上げましたが、レンズの中心が一番低い周波数、外側へ行くほど高い周波数になっているのです。この空間周波数が高いとか低いというのはどういう意味でしょう。
 分かりやすく言いますと、ぼやっとしたもの、エッジが立ってない画像というのは空間周波数が低い成分が多いのです。エッジが立っている画像、こまごまとした画像、鋭い画像は空間周波数の高い成分が多い画像ということです。世の中の画像(被写体像)は、いろいろな空間周波数の成分からできているのです。空にふんわりと浮かんだ雲の画像は、空間周波数が低い成分が多いので、レンズの瞳の位置では、中心に近いところを通る光が多いはずです。一方、林や森、大勢の人間が集まっているような画像は、空間周波数の高い成分が多いので、相対的にレンズの外周部を通る光が多くなるのです。同じ焦点距離でも、レンズ径(口径)の大きなレンズ(Fナンバーの小さなレンズ)とレンズ径の小さなレンズ(Fナンバーの大きなレンズ)では、像の切れは、大きなレンズの方が良くなるのです。それは高い周波数成分の光をたくさんとりこむことができるからです。その分、高価なレンズになってしまいます。
 ちょっとシャッターの話からそれてしまいましたが、頭の片隅にでも入れておいていただくと何かの時に役にたつかもしれませんし、フーリエ変換という言葉を知っているだけでも、今までとはちょっと違った世界が見えるのではないでしょうか。
 話は戻りますが、上で申し上げたように、レンズシャッタの位置の開閉は、周波数領域で、光を遮蔽しているということですので、露出のムラにはならないのです。

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