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美大生のための写真講座 by PhotoSepia
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 旧フォトセピア日記の衣替えで、新たに『美大生のための写真講座』として再スタートしました。とある美大生から写真のことをもう少し知りたいという要望がありました。それが動機で書くことにしたわけです。美大生に限定したタイトルにした理由は、想定する美大生に理解してもらおうというつもりで書いているからです。もちろん一般の方に読んでいただくのは大歓迎です。

 従来のフォトセピア日記に書かれていたブログはこちらに移動しました。
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ライティング2

2014/10/21 16:12
 ライティングでは大きな光源を使うことが多いとお話しました。その理由は、陰影を強く付けずに、しかもある程度隈なく照明したいからです。物を撮る場合の基本になります。逆に陰影を強く付けるのは、凹凸を強調したい場合です。後者は特殊なケースと考えて良いと思います。

 そこで、なるべく均一に照明ができる大きな光源が必要になるのです。大きな光源を得る一番簡単な方法は、ライトバンクという照明機材を使う方法です。大きな箱のような形をして、面から光が出てくるのですが、前面にスクリーンが貼ってありますので、非常に大きな光源が得られます。ライトバンクの構成は、光源ランプと、拡散板です。単純なのですが、購入するとそれなりの値段がします。

 ここでは、普通の光源と、トレーシングペーパーでライトバンクを構成します。おおきなトレーシングペーパーは、カメラ量販店などで売っています。光源に余裕があれば、トレーシングペーパーでなくても構いません。無色、無地の紙でも結構です。

 光源は、どんなものであっても良いのですが、蛍光灯又はLEDランプが良いと思います。昔は、照明用の光源というとレフランプと呼ばれる反射ミラーのついたランプが用いられましたが、ワット数が大きいので、暑くて大変でした。LEDランプが使えるようになって、発熱が少なく安全です。ランプを選ぶ時に、指向性の強いものを選ぶと、トレーシングペーパーの広い領域を照明できませんので、なるべく指向性の弱いものを選んで下さい。

 投光器を使うという方法もあります。最近はLEDタイプがありますので、明るくて熱が出ないので便利です。

 設置の仕方のポイントは、下図に示したように被写体のなるべく近くにトレーシングペーパーを垂らし、裏からトレーシングペーパー全体に光が当たるように照明します。
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 では大きな光源の効果を比較してみましょう。下の写真は、普通のランプ(一般の白熱電球のサイズのLEDランプ)を被写体から50cm程離して撮影したものです。
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 上の写真でお判りと思いますが、先ず被写体のカップの右側にくっきりとした影が出来ています。カップの取っ手の形も影にはっきり出ています。本来、カップを写したいのですが、影がある程度できるのは仕方が無いとしても、くっきりとした影は邪魔です。見る人の注意が分散してしまいます。

 次に、大きな光源で写した場合を見てみます。次の写真は、光源は上の場合と同じですが、被写体までの距離は20cm程度に近づけてあります。そして、ランプの前に直径20cm程のトレーシングペーパーを入れてあります。
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 いかがでしょう。影は大きくボケています。従って取っ手の形状は影には出ていません。これぐらいボケれば影もそれほど邪魔にはなりません。

 さらに、後者の方が全体的に柔らかいイメージになっています。特に注意して見て頂きたいのは、一番明るい部分です。カップの右上のヘリのあたりに光源からの反射があります。この反射の強度を比較していただくと判りますが、小さな光源の場合は強く、下手をすると飽和してしまう(飛んでしまう)可能性もあります。一方大きな光源の場合は、反射の強度も少し弱くなっています。代わりに反射する領域が大きくなりました。これは光源が大きくなったからです。

 ほんのちょっと手間をかけるだけで、被写体をより良く見せることができるわけです。
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ライティング1

2014/09/01 23:39
 普通に写真を撮っている分にはライティングということは先ず関係がありません。しかし、何かの対象物を写真を撮る、それもその辺に転がっている状態のものをテキトーに撮るのではなく、ちゃんとした恰好に撮るというケースがあります。スナップ写真と、写真館での写真の違いのようなものでしょう。

 この時、必ず必要になるのがライティング、つまり照明。これは本当は非常に難しいことです。映画や舞台で照明さんという専門職があるくらいですから、それを片手間にやろうと思ってもそう簡単ではないのです。しかし、自分が作った作品とか人が作った作品をちゃんと残そうと思ったら、やはり正装して撮ってやらなきゃ作品に失礼です。

 その正装の主要な要素がライティングです。ところが、適当にランプ見つけてきて照らしてやればよいという程簡単ではないのです。だからと言って、プロにお願いする程お金もかけられないとかいろいろな事情があるでしょう。ここでは、お金を掛けずに、そこそこのライティングをどうすればよいかということをご紹介したいと思います。

 まず、どんな機材をそろえれば良いかと言う前に、大原則を一つだけご紹介します。それは光源の大きさということです。小さな光源は、コントラストの強い照明、はっきりした影を作ります。逆に大きな光源は、柔らかい照明、ぼんやりとした影を作ります。

 小さな光源とは、被写体からみて光源が狭い角度から出ている光源です。物理的な光源の大きさではなく、光源の大きさと光源までの距離に関係します。晴れの時の太陽の光がこれに相当します。太陽は光源としては巨大ですが、太陽までの距離が遠く離れているので、被写体から見たら小さな光源です。
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 おおきな光源とは、被写体からみて広い角度から光が出ている光源です。曇りの時の空からの光は大きな光源です。曇りと言っても太陽が見えるような曇りではなく、太陽がどこにあるか判らない程のくもりです。天のあらゆる方向から光がきますので空全体が光源になり、広い角度から被写体に当たります。これが大きな光源です。

 ライティングとは、大雑把にいって、この小さな光源と大きな光源の組合せをどう設定するかということになります。
そして、ライティングでは多くの場合、大きな光源を使います。

 次回は、大きな光源をどうやって作るかという話をします。
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近くのものを写す・接写リングの使い方

2014/04/07 22:05
 小さなものを写したい時とか、物体の一部を拡大して撮りたい時、二つの方法があります。

 一つは、一番簡単な方法で、マクロレンズを使う方法です。マクロレンズというのは物体の近くに寄って撮れるレンズです。一眼レフの場合、普通のレンズは、広角レンズでも30センチ位からしか撮れませんが、マクロレンズはかなり近寄って撮れます。ただ、ひとつの欠点は、一般に価格が高いということです。近寄って撮ることを接写といいますが、昆虫や花を撮ることが趣味の人なら別として、一般的には接写をするということはありませんから、それ用のレンズを買うというのも懐に余裕がないと難しいです。

 そこで第二の方法が、接写リングを使うという方法です。接写リングは、レンズとカメラ本体の間に入れ、レンズを本体から遠ざけるものです。レンズを本体から遠ざけることで逆に、レンズに近い距離のものを写せるようになるのです。

 接写リングはいろいろなものが販売されていますが、一番手軽なものは、ただのワッカです。とは言っても、カメラのレンズマウントに取り付けられ、接写リングの先に本来のレンズを取り付けるわけですから、それなりの設えは必要です。最近は、レンズもオートフォーカスが中心ですので、本体とレンズとの間には電気信号のやり取りが必要ですが、マニュアル撮影覚悟であれば、ワッカで十分です。お金を掛けない接写の方法をご紹介するのが、このブログの目的です。私が使っているものも、ワッカが3種あり、それを組み合わせて使えますので、全部で8種類の接写リングの設定が出来ます。下の写真は、左端がレンズを付けるためのアダプタ、右端が本体に付けるためのアダプタ、真ん中の3つのリングを選択、あるいは組み合わせて所望の接写リングを作ります。
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 接写リングは一般的にいくつかの厚さのリングが用意されていて、最適な物を選択したり、組み合わせたりして使います。問題は、どういうリングを用意すればよいのかということです。以下に手順を追って説明します。

1 倍率の決定
 まず、写したいものの大きさとカメラのセンサーの大きさから倍率を決めます。倍率と聞いただけで、いやになってしまうかもしれませんが、それほど難しく考えることではありません。写されるもの(被写体)の大きさと、カメラのセンサーの大きさの比率です。例えば、指輪を写すと考えます。背景も含めて27ミリの領域を写真の短辺(縦方向)一杯に入れるとします。この場合、センサーの大きさを知っておく必要があります。FULLサイズであれば、24ミリです。APSCセンサーのカメラであれば、大体15.6mm程度です。ご自分のお使いになているカメラの取扱説明書で調べて下さい。ここでは実際に使ったカメラセンサーは15.4mmでした。27ミリの物体を15.4ミリに写すわけですから倍率は15.4/27=0.57倍です。

2 レンズの焦点距離を決める。
 次に、使用するレンズの焦点距離を調べます。焦点固定レンズ(単焦点レンズ)であれば、レンズに書いてあります。ズームレンズであれば、なるべく広角側のどこかで固定して考えて下さい。間違っても望遠側にはしないことです。ここでは単焦点レンズで焦点距離50mmの標準レンズを使う場合で説明します。

3 必要な接写リングの厚さを求める
 先ほど求めた倍率と、レンズの焦点距離を掛け算したものが、接写リングの厚さになります。この場合、倍率が0.57倍でしたので、焦点距離50mmのレンズでは50×0.57=28.5mmが接写リングの厚さになります。

4 実際に使用する接写リングを決める
 28.5ミリの接写リングがあればよいのですが、丁度よいものがあることは偶然以外には有りません。ここでは、接写リングの組合せで30mmのものが出来ましたで30mmにします。逆に30ミリのものを使うということは、倍率は0.6倍(=30÷50)になるということです。下が実際に組み合わせた接写リングです。
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5 接写リングを取り付けて確認
 次に設定した接写リングをカメラに取り付け、その上にレンズを付けます。
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 この状態で、レンズの焦点距離を∞に設定してください。
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この状態で倍率0.6倍の設定が完了したことになります。実際に撮影して確かめてみましょう。フォーカスはフォーカスリングを回すのではなく、物体とカメラの距離を変えて合わせます。フォーカスリングで合わせても良いのですが、その場合は、倍率が変わってしまいます。レンズの焦点距離を∞にして撮影したものが下の写真です(ノギスの目盛を接写したものです)。縦方向で26.5ミリの領域が画面の縦方向一杯に入っています。従って倍率は15.4÷26.5=0.58倍ですからほぼ狙い通りです。
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 50mmの標準レンズでここまでクローズアップの写真を撮れるのです。この接写リングは、純正のもので無ければ¥1,000〜¥1,500で手に入りますから、マクロレンズに較べれば随分安上がりです。

 但し、ひとつ注意しなければならないのは、レンズを本来の状態からずらして使いますので、多少レンズ性能が落ちるということです。上の写真でも中心と周辺でボケが違います。

 如何でしょうか? 接写リングなんて、難しそうとお思いではなかったでしょうか?倍率×焦点距離で接写リングの厚さを決めれば良いということを頭に入れておけば、そんなに難しいことではないですね。
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ライトフィールドカメラ(6)

2014/01/15 21:36
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ライトフィールド・カメラ(5)

2014/01/04 16:32
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ライトフィールド・カメラ(4)

2014/01/02 15:09
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ライト・フィールド・カメラ(3)

2013/12/08 13:55
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ライト・フィールド・カメラ(2)

2013/11/28 13:58
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ライト・フィールド・カメラ

2013/11/26 20:41
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キレの良い写真とキレを良くする方法

2013/06/24 14:24
 一年程前に、私にとってはとても衝撃的な写真を見る機会に恵まれた。その写真は私の友人から旅行の写真を送ってくれたものでした。その写真の何に衝撃を受けたかというと、メリハリの良さというかキレの良さと言ったらよいのでしょうか、とにかくクリアーなのです。

 普段私は一眼レフを使っています。以前は600万画素程度のもの、今は2400万画素程度のものを使っています。しかし、どう考えても、友人の送ってくれた写真のキレが良く、気になって仕方がなかったのです。その写真を下に示します。
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写真をクリックしていただければ、拡大表示可能です。

 おそらく、この写真の好き嫌いは人それぞれでしょう。もっとしっとりとした写真の方が良いという方も多いのではないでしょうか。そういう方は、このグログは意味がないのかもしれません。しかし、私は基本的に画面全部がくっきりとフォーカスが合っていて、クリアーな写真が好きなのです。一眼レフでボケ味を楽しむという方も多いと思いますので、私の好みは普通ではないのかもしれません。

 最初は、私の友人が私の持っているカメラより相当いいものを使っているのかと思っていました。しかし、写真を調べてみたら、なんとコンパクトカメラでした。コンパクトでも少し高級な部類に入るものですが、ズーム付きの1/1.7インチのセンサーのコンパクトカメラです。いわゆる今流行りの高級コンパクトではありません。画素数は1000万画素程度です。但し、送ってもらった写真はメモリーを節約するためか、150万画素になっていました。従って、画像をパソコンで少し拡大すると、いわゆるジャギーと呼ばれているギザギザの画像が出てきてしまいます。しかし、SXGAのパソコンモニターでめいっぱいに拡大する程度ではジャギーはほとんど気になりません。

 もらった写真の大半は広角側で撮影されていました。つまりズームは殆ど使っていないのです。それで、広角側でレンズさえ良ければこんな綺麗な写真が撮れるものなのかと思っていたわけです。しかし、コンパクトカメラですから、レンズのデータなどはどこにも書いてありません。いや、コンパクトと馬鹿にしてはいけない。一眼よりもひょっとして良いレンズかもしれない、とさえ思うようになったのです。

 そして、次にこの写真を印画紙にプリントしてみました。プリントはA4サイズの印画紙を使い、インクジェットプリンタでの印刷です。驚くことに、エッフェル塔の鉄骨の細部までがはっきりと解像しているのです。印刷したものにはジャギーは殆どみられませんでした。

 150万画素でこんなにくっきりして、A4サイズで印刷も全く問題がないとしたら、一体2400万とか3000万画素のカメラなど必要なのだろうかとさえ思ってしまったのです。

 しかし、どう考えても納得が出来なくて、その送ってもらった写真を細かく見てみました。そしてこの写真に一般の写真とは異なった特徴があることが判りました。それは、明⇔暗のレベル変化の鋭さです。上のエッフェル塔の写真の一部を拡大したものが下の写真です。
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 この拡大写真の矢印で示した部分を見ると、空の明るさから鉄塔の暗さの間が一画素の中で100%近く変化していることがお判りでしょう。少し上の当たりでは、中間の諧調がありますが、これは鉄塔が斜めになっているためです。

 通常、どんな良いレンズをもってしても、このようにクリアーにコントラストが変化することはありません。必ずなんからの中間的な明るさの領域が入ります。つまり、この画像はカメラで撮影した時の何らかの加工が入っているということです。最初に述べたようにこの写真は150万画素になっていました。カメラは1000万画素ですから、画素数を減らしてメモリに格納していたわけです。その過程で、非常にクリアーな画像が作られていたということになります。おそらく、この写真をカメラのフル解像度で撮影していたら、これほどキレのよい写真にはならなかったのだと思います。

 このことは、キレのよい画像を作る上で良いヒントになります。一般にキレのよい写真を撮るには、キレのよいレンズを使うということになります。キレのよいレンズとは、レンズの解像度性能でよく使われるMTFのグラフで1ミリ当たり10本のライン密度の画像を撮影した時の変調度で、90%以上の変調度を持つレンズと言われています。MTFの例を下に示しておきます。一眼カメラのレンズの単体性能には必ずこのデータが付いています。一部の最近の高級コンパクトでもMTFのグラフを記載しているものもあります。このグラフは横軸がレンズ中心からの距離、縦軸が変調度です。黒白のラインが並んだチャートを撮影して、変調度が1.0であれば理想的ですが、一般的にレンズ周辺に行くほど解像度が落ちますので、図のようにダレてきます。M30とM10と書かれているのは、1ミリ当たり30本のチャートと10本のチャートの2種類が表示されているということです。M30は解像度、M10はキレの良さを表していると言われています。S30、S10というのも書かれていますが、これはチャートの方向を示していて、M30とS30が直交したチャートになっています。
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 キレが良いと言っても、そもそもキレというもの自体があいまいな表現ですから高価なレンズを購入しても必ずしも満足できるかどうかは解りません。しかし、明から暗に垂直にレベルが変化する画像が手に入るのであれば、これ以上のキレのよい画像は存在しないことになりますから、加工によってキレを良くすることができるというのは写真を楽しむ上で選択肢が広がるのではないでしょうか。邪道と思われる方も当然居られるでしょう。

 では、キレのよい画像を手に入れるにはどうすればよいのでしょうか。友人の写真のように、どんなカメラでも画素数を抑えればキレのよい画像になるとは限りません。それは、画素数を落とす方式に依存するためです。それにどのような方式で画素数を落としているかということは、一般的にカメラの取説などには書かれていません。

 そこで、写真を撮る際は、高い解像度(大きな画素数)で撮り、それをソフトを用いて画素数を減らし、その際に画素数を減らす方式をキレを良くする方式に設定するという方式を用います。画素数を減らすのは、最低でも1/4以下の画素数にします。つまり、2400万画素の画像であれば、600万画素以下にするということです。できるだけ、画素数を少なくするのがコツです。そして、画素の補間方式としてニアレストネイバー法を用います。

 この方式は一言で表現すれば、間引きを行うということです。間引きを行いますから、画像のエッジで比較的に中間の諧調が選ばれる確率が低く、明から暗に一気に諧調が変化するということです。この方式を採用することにより、キレのよい画像が得られるのです。一般的な補間方式は、明るさが徐徐に変化するようにしているものが多いので、画素数を減らしてもキレはあまり変化しないのです。しかし、ニアレストネイバー法は、補間計算をしない方式ですので、キレが良くなるのです。

 友人の写真の例でも、元の画像のフォーカスが適正であれば、150万画素の画像でも、PCの画面で問題なく表示できますし、A4くらいまでのプリントであれば、全く問題なしです。オリジナルの画像が保存してあれば、元に戻すこともすぐにできますので安心です。

 実際に1600万画素のコンデジカメラの写真を加工したものを下に示します。大元の画像で比較してもこのブログ上ではあまりはっきり表示できないので、拡大したもので比較します。1600万画素の画像を133万画素に圧縮してみました。上が普通に画素を減らしたもの。下が、ニアレストネイバー法を使って画素数を減らしたものです。
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 昔であれば、キレのよい写真を撮ろうとすると、フォーカスを正確に合わせ(時にはアオリ機構をつかって合わせたり)、キレのよいレンズを使ってやっと実現できたのですが、今はデジタルの処理でキレの良さを実現できるということになります。デジタルだからこそ可能になったということです。また、カメラの画素数が多い場合は、キレをよくする上で有利です。

 キレをよくする方法としてエッジを強調するという方法もありますが、エッジのレベルのオーバーシュートやアンダーシュートが発生してしまいますので、どうしても不自然になります。

 キレというのをもう少し科学的な表現をすれば、コントラストがよくて、エッジが立っている写真ということでしょうか。必ずしも解像度ではないということです。
 そして、キレの良さの一因に、上述したエッジの立ち上がりの差があるのではないかとの結論に達しました。その立ち上がりとは、デジタルカメラでの1画素の間で90%以上の明るさの変化が起きていると、ヌケが非常によく感じるということがわかりました。通常、一眼レフなどで撮っても、1画素で90%程度まで明るさが変化する写真はなかなか写せません。もちろん強調などは無しという条件です。それはレンズの制約もあれば、センサーの前のローパスフィルターの影響もあります。センサーとエッジの位置関係にも依存します。
   
 もちろん、解像度が必要になるような写真もあるわけで、ヌケやキレだけが良ければよいというものでもないとは思います。しかし、キレのよい写真というのは、見ていて非常にクリアーですし、ビビッドな表現ができて私は非常に好きです。
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像面位相差方式(4)

2012/07/26 13:58
 前回の説明で、像面位相差の基本的な原理をお示ししました。
 今回は、この基本原理を実際のカメラでどう使っているかという話です。

 前回は、ひとつのセンサーでの働きを説明しました。実際には、前回も少し触れましたが、2つのセンサーをペアにしたものを使います。スリットの位置が画素の中心に対して対称な位置にある2つの画素をペアにします。一例を下図に示します。
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 上図は、撮影用のセンサーの中にAF用の画素が入っていることを示しています。カメラのセンサーのほんの一部を拡大したものです。色が付いているのはカラーフィルターの色を示しています。
 スリットの位置が左右対称になっている二つの画素を近接させます。遠く離れてしまうと、像そのものが異なった像になってしまいますので、像のズレを検出することが出来なくなってしまいます。そして、このペアの画素を画像センサーの必要な部分にちりばめているのです。フォーカスを検出する画素の数は各社各様だと思いますが、おそらく数万は下らないと思います。

 この画素を一定間隔で例えば横に配置し、それを一列に並べると、一次元センサーを並べたことと同じことが実現できます。(下図) これも、画像センサーの一部のみを示していますが、ペアのセンサーをひとつの点で示しています。それが、一定間隔で複数ならんでおり、一次元センサーのような構成になっているのです。横方向のみではなく、縦方向のフォーカスも検出する必要がありますので、縦の並びも用意されます。図では赤の点です。このようなものが、画像センサーのあちこちに散らばっているわけです。
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 左右対称のセンサーを各々別々に取り出し、二つの一次元センサーもどきの画像を比較し、そのずれからフォーカスのズレ量を計算するのです。このあたりの考え方は、いままでの位相差方式と同じ考えです。それを画像を読取るセンサーの中で一緒に実現しているのです。フォーカス用のセンサーから得られた信号をグラフ上に示したのが下の図です。2種類のスリットを通して得られた信号は焦点のずれに応じて間隔(位相)がずれて出力されます。この間隔が特定の値になるようにレンズを制御すれば、オートフォーカスが実現できます。下の図は、信号を取りだしたところを示しております。片側のスリットの信号の複数の画素をならべたものが青、対称配置のスリットをもつセンサーの出力を並べたものが赤です。横方向にズレが生じています。このずれがある値になるように、フォーカス用のレンズを制御すればよいのです。
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 像面位相差方式の説明は、以上とさせていただきます。少し、難しい話になってしまいましたが、なんとなく概要がつかめていただければと思います。
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像面位相差方式(3)

2012/07/22 16:11
 前回はマイクロレンズの働きについてお話しました。今回は、実際の像面位相差方式についての内容です。

 下の図をご覧ください。被写体とカメラレンズとマイクロレンズとセンサーの関係は前回と同じです。異なるのは、センサーの前に小さなスリットがおかれていることです。前回の話で、マイクロレンズはセンサー上の位置とレンズの光の通過位置とを対応させる役割であることを示しました。そこで、センサーの前にスリットを置くことでセンサーに入ってくる光のレンズ通過位置を限定してしまうのです。下の図では、スリットはセンサーの中心から少し上のところに作ってありますので、対応するレンズの位置はレンズの下半分のほぼ中央当たりに相当します。下の2つの図の上側は、丁度フォーカスが合っている状態とします。
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 上の図の下側の図は、カメラのレンズが矢印方向にA点からB点まで動いた場合の図です。レンズがセンサーから離れる方向に動いたのですから、本来は被写体がb点にあればフォーカスが合うのですが、現実には被写体はa点のままですから、フォーカスは合っていません。センサーには青い線と赤い線に挟まれた部分の光が入りますので、上図の下側の図に示したように、本来の被写体からの光ではなく、被写体より少し上のボケた像の光がセンサーに入ることになるのです。

 つまり、マイクロレンズとスリットを使うことによって、フォーカスが合ってない状態では、ずれた位置の像(正確には像の光量)がセンサ上に投影されることになるのです。

 実際の例では、センサーのスリットはもうひとつ別のものが用意されます。別のものというのは、スリット位置を上図の中心軸と反対側に設定したものです。マイクロレンズの中心より下側にスリットを配置します。上側に配置した場合と逆になりますので、カメラレンズがB点に移動した際には、被写体の少し下側の像の光がセンサーに入ることになります。つまり、上スリットの場合とは逆の動きをすることになるのです。

 尚、上図はわかりやすいように強調して描かれています。実際にはマイクロレンズはカメラレンズに較べて非常に小さなものですから、光の広がりからも非常に小さなものです。

 話が難しくなってしまいましたが、もう少し我慢してください。次回に続きます。
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像面位相差方式(2)

2012/07/17 15:26
 前回は、像面位相差以前の予備的な話でした。今回は少し進んで、像面位相差におけるマイクロレンズの働きについてご説明します。

 前回もご説明しましたが、一般的にマイクロレンズはセンサーの表面に各画素毎に形成されており、光をなるべく有効にセンサーに導くのが目的でした。しかし、像面位相差の場合、もうひとつ重要な役割があります。先ずは、下の図を見てください。
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 前回の図との違いは、センサーの前にマイクロレンズが配置されていることです。このマイクロレンズを入れるによって、前回と同じレンズの端を通った光がセンサー上で一点に集光します。なぜかと申しますと、先ほども述べましたが、この図で示した場合のマイクロレンズに入ってくる光は、カメラレンズの上端一点から発せられて光だからです。マイクロレンズを最適に設計すれば、一点から出た光はマイクロレンズを通ったあと一点に集まるはずです。そして、この絵のようにカメラレンズの上端を通った光は、マイクロレンズを通って、センサーの画素の下端に集まります。同様に、カメラレンズの下端を通った光は、センサーの画素の上端に達します。図示はしてありませんが、カメラレンズの中心を通った光はセンサーの中央に集まります。

 これはどういうことを意味しているのでしょう。前回の説明を思い出して欲しいのですが、マイクロレンズが無かった時は、センサー上の光の分布は被写体の画素相当部分の明るさの分布に相当していました。しかし、今回の場合は、被写体の画素相当の明るさの分布という情報は無くなってしまい、代わりに、光がカメラレンズを透過した時のカメラレンズの通過場所毎の光の量を反映しているているということがわかります。マイクロレンズ一枚を通すことによってセンサー上の光の分布の意味が全く違ってしまうのです。少し、難しい話になってしまいましたが、像面位相差という方式を理解するためには、この点だけはある程度知っておいた方が良いと思いますのでちょっとだけ我慢してください。

 続きは次回に
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像面位相差方式(1)

2012/07/16 21:19
 比較的新しく採用されている方式で像面位相差方式というものがあります。富士フィルムがコンパクトカメラに採用し、その後ニコンのミラーレス、最近ではキャノンの一眼レフにも採用されています。

 一言で説明すれば、デジカメの撮像素子(CCDやCMOS)にAFセンサーを組み込んだものであり、位相差方式のような別の光学系が不要になるため、カメラがコンパクトに構成できる上、位相差方式と同じで、フォーカスがどちらの方向にずれているかが検出できるため、高速なAF動作が可能になるというメリットがあります。

 原理的には位相差方式ではあるが、多少異なっている部分もあります。
 まず、下の図を見て下さい。下の図は、一般的なデジタルカメラの構成であり、その中の一画素分を拡大して示したものです。最近の多くのデジカメは、センサーの直前にマイクロレンズを搭載していますが、敢えてここでは省いてあります(当初のセンサーのマイクロレンズは、センサーとセンサーの間に光を感じない部分があったため、光を感じない部分に光が当たらないよう、レンズで光を集めていただけで、それほど本質的な意味はありませんでした)。右側のセンサーの部分は明確に各画素が分かれているのですが、被写体は連続的なものですから、画素が分かれているわけではありません。しかし、被写体のある領域がカメラの一画素に集まるのですから、逆の見方をすれば、カメラの1画素に相当する被写体の一画素相当の領域は存在します。それを左側に示しているのです。
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 被写体から出た光は、あらゆる方向に向かって進行するのですが、カメラの場合は、レンズに入った光しか画像になりません。そこで、上図ではレンズの一番端を通った光に着目しています。例えば被写体の一番上端から出てレンズの一番上端に入った光は、レンズで曲がってセンサーの画素の一番下端に達します(二重矢印)(レンズを通ると画像は反転します)。また、被写体の一番下端から出て、同じくレンズの一番上端に入った光は、レンズで曲がってセンサーの画素の一番上端に達します(一重矢印)。被写体から出た光の内、その他のレンズの上端を通る光は、この二つの光線の間のどこかを通ることになります。

 レンズの下端を通る光は薄い水色で示してあります。もちろん、レンズは上端や下端以外のあらゆるところを光を通しますから、上で述べた光線はほんの一部にしかすぎません。しかし、あとあとの説明のためにあえてこの特殊な光線に注目してみます。

 あえて付け加えておきますが、一般的には被写体の一画素分の領域に明るい部分や暗い部分が含まれているのですが、センサーに入ると明暗の分布は関係なくなってしまい、ひとつの画素はひとつの信号しか出力しませんので、被写体の明暗分布は関係なくなってしまいます。平均の明るさがセンサーの出力になるのです。同じようにレンズのどこを通った光であろうが、センサーの出力は全ての光を足し算した結果ですので、レンズのどこを取った光であるかということも関係なくなってしまうのです。

 先が長いのでこの続きは次回とします。
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位相差AF(2)

2012/06/30 09:42
 前回、二つの方向から被写体を見ることにより焦点ズレを検出できるということを示しました。それがカメラでどのように組み込まれているかということをご説明します。

 図を見て下さい。位相差AFはカメラのレンズの後に搭載されています。カメラのレンズの像をもう一度位相差AF検出用の2つのカメラ(レンズとセンサ)で見ているのです。
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 カメラの画像センサーは上の図ではCCDと書かれた位置に存在するとします。この位置に像ができている状態がフォーカスが合っている状態になります。それが中央の図です。フォーカスが前ピンになったのが左の図です。この時、AFセンサー上の像はジャスピンの時に較べて二つの像が近寄っています。逆に後ピンの場合が右の図ですが、像の間隔が広がっています。

 つまり、二つの像がいつも同じ間隔になるようにレンズ位置を調整してやればよいのです。

 二つのカメラというのは、二つのレンズと二つのセンサーですが、これを離すことによって二つの方向から像を見ていることになるのです。

 実際のカメラの組み込み例が下の図です。
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 一眼レフのメインミラーの後にもう一枚ミラーがあり、像を下の方向に反射させてAFセンサーに導いています。一眼レフのメインミラーはAF部分のみ半透過になっていますので、ファインダーでも像が見えますし、同時にオートフォーカスにも像が導かれるのです。ミラーをアップすると、AFセンサーは確認できますが、AF用のミラーはミラーアップとともに折りたたまれる機構になっていますので、ちょっとみただけでは存在がわかりません。ミラーをアップする目的はセンサー近辺の清掃ですので、清掃の邪魔にならないよう折りたたまれるのです。
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位相差AF(1)

2012/06/24 22:06
 前回に引き続き、AF(オートフォーカス)方式についての説明です。
 今回は位相差AFです。主に一眼レフで使われているAF方式です。前回述べたコントラスト法と違って、専用のセンサーが必要になります。センサーを組み込むスペースも必要になりますので、コンパクトカメラでは殆ど使われていません。

 位相差AFという表現は、なんだか専門的な表現で、難しそうです。位相なんて言葉は日常生活では使いませんから。AFというのは、カメラと被写体の間の距離が変わった時に、レンズの位置を変えてピントが合うようにするわけですが、ピントがずれた時には像がボケるだけです。像がボケるのですが、どちらの方向にずれたのかが分かりません。コントラスト方式では、やはり方向が解らないのでとにかく動かてみたわけです。

 下の絵をご覧ください。カメラの前にあった被写体が手前に移動したとします。画像は最初はピントが合っていたとしますと、被写体が移動すると、画像はボケるだけです。
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 そこで、カメラを少し右にシフトします(ここでは右カメラとします)。それが下の図です。今度は、カメラを右に置きましたので、ピントがあった位置の画像は少し左に寄っていますが、被写体が手前に移動した時は、ボケるだけではなく、さらに左にボケた像が動いて見えます。位相差AFというのは、少し斜めから見てやることによって、被写体の前後の移動を横の移動に移し替えているのです。そしてこの横方向への移動量を検出してピントを合わせるようにするのです。
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 ところが、このままでは落とし穴があるのです。被写体が前後ではなく、例えば左に動いたとしましょう。そうすると右カメラでとらえた被写体の画像も左に動きますから、被写体が手前に動いた時と同じように見えてしまうのです。(厳密に申し上げれば、ピントは合ったまま左に動いています。)従って右カメラだけではピントを合わせることができません。
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 そこで、更にもうひとつのセンサー(ここでは左カメラとします)を追加します。右カメラの反対に置きます。このカメラの画像は、全体が少し右に寄ってます。被写体が前に動くと画像がボケると同時に画像は右に動きます。
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 先ほどの右カメラでは被写体が手前に動いた時は、画像は左に動きました。一方左カメラでは画像は右に動きます。つまり、反対方向に動くのです。そして、被写体がピント方向ではなく、単に左に動いた時は、右カメラも左カメラも画像は左に動きます。
 カメラを二つ用意することにより、ピント方向にズレか単なる横方向の被写体の移動かを分別できるのです。
 次回はもう少し具体的な話をします。


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コントラストAF

2012/06/21 13:29
 カメラのカタログや宣伝を見ていると、AF(オートフォーカス)方式でコントラスト方式、位相差方式、像面位相差方式などの言葉が出てきます。これらの違いを簡単に説明します。

 まず、一番簡単なコントラスト方式。これは、主にコンパクトカメラに使われている方式です。これは、特別にAF用のセンサーが無くても使えますから、一番安上がりで、スペースも要りません。但し、AFのスピードが少し遅いという欠点があります。

 原理は簡単です。デジカメでとらえた画像そのものを使います。コンパクトカメラでは、シャッターボタンを押さないかぎりシャッター(機械式シャッター)は開いていますから、画像は常に取り込めるし、それを背面の液晶モニターに表示しています。その画像はピントが合っているとシャープになりますし、ピントが外れているとボケてしまいます。この画像のシャープさをコントストと呼んでいます。ピントが合っている時は、コントラストが高くなり、ピントが外れるとコントラストが下がるわけです。解りやすく言えば、画像の鋭さのようなものです。フォーカスズレとこのコントラストの関係を図に示すと下図のようになります。
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 コントラスト方式はこのコントラストのピークを見つける方式です。ピークを見つけつのは、動かしてみてコントラストが下がったら逆方向に動かすという考えです。なぜなら、コントラストの大きさだけではピントがどちらにずれているか解らないからです。動かしてみて判断をするという方式でピークを見つけるので、別名山登り方式とも呼ばれています。このため、AFのスピードが少し遅くなるのです。この方式のもう一つのメリットは、常に最高のコントラストを維持できるということです。後述する方式は、ズレが生じやすいので、何らかの補正が必要になるのですが、この方式は、コントラストの最高値が合焦状態ですから、レンズの倍率などが変わってもズレが原理的にないのです。但し、動いている被写体を追従するのは苦手です。
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デジカメの画素数と解像度

2012/02/04 08:59
 デジカメの解像度は主に使用しているセンサーで決ります。従って、デジカメを購入するときに、何万画素のデジカメであるかということは購入する上での大きな条件です。

 ところで、例えば1200万画素のデジカメを購入したとして、本当に1200万画素の解像度があるのでしょうか? 1200万の画素があることは事実です。デジタルの画像も1200万画素出力されます。しかし、レンズも含めて被写体を1200万画素で正確に取り込んでいるかというとそうではないのです。それどころかレンズが理想的であったとしても、1200万画素で正確に取り込んではいないのです。

 どういうことかと申しますと、デジカメのセンサーは通常1つのセンサーしか搭載されておりません。しかし、カラー画像を出力しなければなりませんので、RGBの3原色カラーフィルターをセンサーに重ねているのです。
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 センサーを拡大すると上の図のようになっています。例えばP42という青の四角がありますが、これは青いフィルターを付けた一つの画素です。このような画素が1200万画素あるということです。ところが、デジカメの出力は上記のようにはなっておりません。各全ての画素が赤青緑の出力を出しているのです。つまり、P42の画素の出力は青だけではなく、赤も緑も存在するのです。どのようにしているかというと、周りの画素の情報から計算しているのです。(補間していると言います。)

 例えば、P42の画素の緑の出力は、P41とP32とP52とP43の4つの画素を使ってその平均を出力するというようなことができるわけです。あるいはP41とP43の二つの画素だけから平均を求めても良いわけです。
 この補間の計算方法はメーカ毎に異なっているようです。画質にかかわってきますので、各社のノウハウでしょう。

 ということで、P42の緑の出力は周りの画素の平均ですから解像度が落ちてしまうのです。どの程度落ちるかは補間の計算方法に依存します。大雑把に申し上げれば約半分程度の解像度ということになります。

 余談になりますが、上の図を見ていただいたお分かりかと思いますが、緑が半分で赤と青が四分の一しかありません。青と赤だけなら総数1200万画素のデジカメの解像度は300万画素ということになってしまいます。緑が多いのは、緑が一番人間の眼の分解能が高いからです。人間の目は、赤と青と緑を感知する細胞(錐体細胞)が別々に存在します。赤が細胞数(約6割)が一番多いのですが、カラーフィルター程赤、青、緑が綺麗に分離しているのではなく、赤と緑はほとんど重なっています。赤が少し幅広い波長を感知できるようになっているようです。広い波長の光を検出できるということは、逆に色の分解能が悪いということになります。青は錐体細胞の中の1割程度しか存在しませんので、空間的に分解能が低いのです。そういうことで、緑を多くすることで人間の目には高い分解能で見せることができるのです。このあたりの話は、人の個体差も結構あるようです。

 上で述べたカラーフィルターの配列は、ベイヤー配列と言われ、大半のデジカメの採用されている方式です。例外は、Foveonというメーカのセンサーがあります。これは、ひとつの画素でRGBを別々に検出できるようになっておりますので、非常に解像度の高い画像が得られます。シグマのカメラに搭載されています。(シグマのカメラの画素数が多いのは、1画素を3画素と計算するからです)。もうひとつの例外は、富士フィルムのカメラです。以前よりハニカム構造という方式を採用してましたが、つい最近発表されたX−pro1はランダム性の高い配列を用いています。
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マクロレンズ その1

2012/01/22 11:41
 近接撮影(いわゆる接写)のできるレンズをマクロレンズと言います。通常のレンズは縮小レンズです。マクロレンズは小さなものを写すのが目的ですから、なるべく倍率を高くして写すようにするわけです。倍率を高くとは言ってもせいぜい1倍(等倍)です。等倍というのは、レンズと被写体の距離がレンズとイメージセンサーの距離に等しいという条件です。つまり、レンズと被写体の距離が非常に近くに設定できるということです。これがマクロレンズを使う上での一番の特徴です。

 一方、小さなものを写す為には、解像度が必要ですから、なるべく明るいレンズが欲しいということになります。しかし、レンズのF値というのは焦点が無限遠に合っている場合のF値になります。ということは、等倍撮影の場合は、一番近いところに焦点を合わせるわけですから原理的にF値は半分程度に下がってしまうということです。下の図を見ていただくとおわかりかと思いますが、上が無限遠に焦点が合っている場合で、下が等倍の状態です。センサーに入射する光の角度が等倍では半分程度になってしまいます。F値2.6のレンズを等倍で撮影すると、F値は5程度に下がってしまうということになります。2.6であれば、センサー上で1.8ミクロン程度の解像度があるものが、等倍では3.3ミクロン程度まで下がってしまうということです。
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 とは言っても、フルサイズで2400万画素のカメラでは一画素の大きさが6ミクロン角ですから殆ど影響はないかもしれません。1600万画素のAPS−Cサイズのカメラでは、5ミクロン弱の画素サイズになりますので、選択するレンズのF値によっては少し影響がでる可能性があります。
 むしろ、F値が下がってしまうということで、それだけシャッター時間を長くしなければならないということの方が影響が大きいかもしれません。
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説明的な写真にしない方法

2012/01/14 12:01
 『説明的だ!』と言われることがよくありますし、そういう評論も良く見かけます。説明的という表現って、変な日本語です。辞書を引くと解説的となっています。私が想像するに、わかってしまう写真ということなんじゃないでしょうか。実用的な写真であれば説明的であることが重要です。面白い写真を撮ろうと思うのであれば、全て説明する必要はないのです。全て説明すると、見た人の思考がそこで止まってしまうわけですから、面白さがなくなってしまうのだと思います。そもそも面白いということがどういうことかというと、興味をひかれるということです。つまり、そこにこれは一体何なんだという要素があるから興味がわくのです。その写真を写した時に、興味をひかれたから写したわけです。その写す瞬間に、自分の興味の源泉を全て写真に入れてしまうと興味のわかない写真になってしまうのだと思います。

 写真というのは、そういう意味では引き算かもしれません。具体的な方法を示してみます。第一に、邪魔なものは排除します。これは解り易い引き算です。写っていても意味がないもの、邪魔なものが入れないようにします。邪魔なものは、見た人が気が散るので極力入れないことです。フレーミングやアングル、写す場所を変えて邪魔なものを排除します。ここまでは比較的に簡単です。

 その次に、何かを除去してみます。除去した時に除去する前と当然違いで出るのですが、面白くなるかならないかです。この段階が説明的になるかならないかの境目だと思います。

 一つの例として、下の写真があります(私の友人が撮った写真です)。
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この写真は私はとても面白い写真だと思います。ご存知の方も多いと思いますが、これはアルベルベッロの石積み屋根(トゥルッリ)に居たネコの写真です。この写真に建物の全景を入れてしまうとつまらない写真になってしまいます。明らかにアルベルベッロであることを説明してしまうわけです。また、全景が入ることでネコが相対的に小さくなってしまいます。撮影者が面白いと思ったのは屋根に居たネコであり、そんなところに居たという意外性が面白かったのだと思います。だから、そこだけを切り出すことで面白い写真になったのだと思います。
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写真入力に適したスキャナー(6) スキャナーのゴミに対する特性

2012/01/05 11:25
 スキャナーで入力する際に必ず問題になるゴミの影響について以下に説明します。

 まず、ドキュメントスキャナーの場合ですが、ゴミの影響は無視できません。 もともと、紙をローラーで搬送してスキャンするわけですから、写真からゴミが落ちやすいのは当然です。 また、ゴミを綺麗に清掃して写真をセットしない限り写真についたゴミがスキャナーに入ってしまいます。 このことはフラットベッドでも同じですが、ゴミの影響の出方が異なります。  ドキュメントスキャナーの場合、細いスリットで写真を搬送しながら読取るわけですから、 このスリット上にゴミが付着すると、画像にスジが入ってしまうのです。 この例を下の写真に示しておきます。
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 写真の中に横一線のスジが入っています。これがスリット上に付着したゴミによるスジです。 一方スジの上側にドット上の白い点や糸くずのようなものがあります。これは、写真の上に付着したままスキャンされたゴミです。

 ドキュメントスキャナーではこのようにゴミが2種類の出方をします。 従って、頻繁にスリットのガラス面を清掃する必要があるのです。

 一方フラットベッドスキャナの場合は、 点状のゴミ画像(ゴミの形がそのまま画像に表現される)のみとなります。写真にゴミが付いても、スキャナのガラス面に付いても結果は同じです。 ガラス面の清掃は当然必要ですが、清掃のしやすさという意味では、フラットベッド スキャナの方が容易です。ドキュメントスキャナの読取り面は、外部に露出しておりませんので、 カバーを開いて清掃する必要があります。

 もうひとつ注意しておかねばならないのは、ドキュメントスキャナには一般的にゴミ除去機能は備わっておりません。スキャンニングする対象がドキュメント主体ですので、 ゴミの除去の必要性が余りないのです。一方、フラットベッドスキャナーでは写真の入力はメインの入力対象であり、ゴミ除去機能(ソフトによる画像データ上での除去)が標準で搭載されております。 従って、小さなゴミであれば、ある程度はゴミの除去が可能です。(ドキュメントスキャナー付属のフラットベッドスキャナにはゴミ除去機能がついてないものもあります。)

 何れのスキャナーを用いたとしても、ゴミに対しては敏感に反応します。写真にゴミが付着した状態を目視で見た時より、スキャナーで取り込んだ画像の方がゴミは目立ちます。これは、スキャナーの照明方式に依存するものであり、避けられません。ゴミを排除してスキャンし、また、それでも残ったゴミは画像ファイルを加工して除去することが必要になります。

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写真入力に適したスキャナー(5)

2011/12/30 16:52
 CCDタイプのスキャナーで一つだけ注意が必要なのは、解像度の定義です。CCDタイプのスキャナーはフラトベッドであろうがドキュメントスキャナーであろうが光学系が必要になりますのでCCDの解像度以外に光学系の解像度が影響します。多くのスキャナーで『○○○DPIの高解像度』というような表現をしておりますが、これは取込のドット数のことであり、本当にそのドット数に見合った解像度を持っているかどうかは別です。例えば2400DPIの解像度で入力が可能となっていても、実際の光学系の解像度がそれに見合ってない場合があります。一般的にはフラットベッドでCCDタイプの場合、600DPIは確保されているとみて良いと思います。

 一方、CISタイプの場合は、光学系が入りません(正確にはセルフォックレンズというガラスファイバーの寄せ集めのような光学系や画素毎に小さななレンズを並べたレンズアレーが入ってます)ので、センサーの画素密度で解像度が決まってしまいます。とは言っても大体600DPI止まりでしょうか。

 CCDタイプの光学系単体の解像度は基本的に公表されておりませんので、実際にスキャンして確かめる必要があります。ものによっては光学解像度という表現を使っている機種もあります。この場合は、光学系も含めた解像度という理解で良いと思います。
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写真入力に適したスキャナー(4)

2011/12/27 08:54
 前回CCDタイプのスキャナーとCISタイプのスキャナーの2種類があることをお話しました。そして、写真の入力用にはCCDタイプのフラットベッドタイプが良いということもお伝えしました。

 今回は、最初の2つのスキャナタイプ、即ちフラットベッドタイプとドキュメントスキャナータイプのそれぞれで、原稿のハンドリングに関する差からくるメリット、デメリットについてお話します。

 フラットベッドタイプは写真を読取り面(ガラス面)に載せてスキャンしますから、一枚ずつ手で写真を載せる必要があります(一部オートフィーダー対応の機種もありますが、写真用ではありません)。一方、ドキュメントスキャナタイプは、自動的に写真を一枚ずつ送ってくれますから、手間が省けます。

 しかし、ここで一つ注意しておかねばならないことがあります。それはドキュメントスキャナは、写真にキズが付きやすいということです。そもそもドキュメントスキャナは複数のドキュメントを効率よく入力するように出来ていますので、重送防止というのが非常に重要な機能になっています。この重送防止というのは、一度に2枚とか3枚のドキュメントが一緒に送られないようにすることです。
 この為、たとえ2枚同時に送られてもそれを引き剥がして一枚ずつ紙を送りこむように工夫されているのです。逆にこのことが写真にとっては好ましくない結果をもたらします。2枚一緒に送らないということは、2枚を接触させた状態で内一枚のみを送りこむわけですから間にゴミが入っていると、写真の表面にキズが入ってしまう可能性があるのです。
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 2枚の写真の間にゴミを入れて2枚でこすり合わせれば当然写真にキズが付きます。写真の表面は、ゼラチン質で覆われていますので、非常にきずが付きやすいのです。一旦キズが付くと次にスキャナで読み取った時にこのキズが見た目以上にはっきりと見えてしまいます。スキャナーは光の散乱を利用しているため、キズやホコリは目立ち易いのです。ローラで搬送するのですから、重送が無くてもきずが付きやすい構造です。従って、貴重な写真は、絶対にドキュメントスキャナーにはかけるべきではないと思います。
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写真入力に適したスキャナー(3)

2011/12/19 17:19
 前回お話した二種類のスキャナーとも読取りの為のセンサーに2種類のものがあります(計4種類のスキャナのタイプがあるということになります)。CCD(Charge-Coupled Device)タイプとCIS(Contact Image Sensor)タイプです。

 CCDタイプのセンサーは読取り幅が数十ミリ程度ですので、A4サイズの文書などはそのままでは読み取れません。従ってレンズやミラーを使って文書の画像を縮小してCCD上に像を作って読取ります。
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 一方CISタイプは別名密着型イメージセンサーとも呼ばれていますが、文書にセンサーを密着させて読取ります。従って例えばA4サイズの文書を読取るためにはA4サイズの幅の大きさのセンサーを用います。
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 このセンサーの差は、写真のデータ化には非常に大きな差になります。CCDタイプの場合は読取り面から写真が少し離れていても殆ど影響が出ません。2〜3ミリ程度離れても解像度が落ちるということは殆どありません。一方、CISタイプの場合は、元々密着させることが条件ですので、写真が読取り面から少し離れただけでボケてしまいます。大体±0.3mm程度しか余裕がありません。本来文書の読取りという目的で開発されてますので、それほと読取り位置がずれるということを想定していないのです。

 フラットベッドタイプのスキャナでは、通常は文書や写真は読取り面に置いたあと、カバーを閉じますから、カバーで読取り面に密着させることができます。しかし、アルバム写真のようなものになると、スキャナーより大きな原稿を読み取らせることになり、全面読取り面に密着させることは出来なくなります。(スキャナー読取り面の外周は、読取りガラス面より1〜2ミリ高くなっていますので、この外周に近い部分は原稿が読取り面から少し浮いてしまいます。)よって、フラットベッドスキャナーを採用される場合は、CCDセンサを用いたものを採用されることをお薦めします。

 ドキュメントスキャナの場合は、アルバム写真の入力は出来ません。バラ写真の場合は写真の搬送に用いるローラーで写真の位置をある程度固定しますので、読取り面から写真が大きく浮くことはありません。従ってCISタイプのスキャナーでも使えなくはありませんが、前回ご紹介したようなデータの品質を重視される場合は、好ましい選択とは言えません。
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写真入力に適したスキャナー(2)

2011/12/17 08:51
 前回ご紹介した2種のスキャナに関し、別の観点から比較してみます。

 ドキュメントスキャナは高速で入力することを求められています。大量の文書を少しでも早く読取る必要があるからです。従ってフラットベッドスキャナよりスキャン時間が短くなっています。もちろんフラットベッドスキャナも高速で読み取ることが望ましいのですが、それ以上に入力画像の品質を重視しております。ドキュメントスキャナが高速で入力するということは、光源が同じであればセンサに入る光エネルギーは少ないということですので、小さな信号を増幅して一定の画像を得るようにしていることになります。その分ノイズが多くなります。よって得られた画像の品質という意味ではドキュメントスキャナよりフラットベッドスキャナが優れているのです。また、私の経験ではドキュメントスキャナは写真のハイライト部分(明るい領域)やシャドー部分(暗い領域)で、諧調特性(入力の明るさに対する出力値の対応のことを指し、諧調特性が悪い場合、暗い部分や明るい部分で入力の値が変わってもそれに比例して出力が変わらない)が少し劣っている傾向があります。

 写真の入力においては、諧調特性は非常に重要です。と申しますのは、古い写真の場合、色あせが生じているものが多くありますので元々全体的に明るい方に偏っているケースが多くなります。また、元々露出が適正ではない写真も多く存在します。これを本来の出力(明るい部分は大きな出力、暗い部分はゼロに近い出力)に補正を行うと、諧調特性の悪いスキャナで入力するとスムースな諧調の変化が失われてしまう可能性があり、階段状の明暗変化になってしまいます。

 従って、読取り画像の品質を重視するのであれば、フラットベッドスキャナを選択すべきです。品質は二の次で、大量の写真を手早くデータ化したいということであれば、ドキュメントスキャナも選択肢の一つではあるということになります。

 次回は、スキャナのセンサの違いについて説明します。
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写真入力に適したスキャナー(1)

2011/12/16 15:49
 写真をデジタル化する際に使われるのがスキャナーです。しかし、スキャナーと言ってもいろいろな種類があり、それぞれにメリットデメリットがあります。ここでは、プリント写真のデータ化という観点で、最適なスキャナーについてお示ししたいと思います。

 まず、スキャナーの種類ですが、大きく分けてフラットベッドスキャナとドキュメントスキャナに分かれます。フラットベッドスキャナは写真や文書をガラスの資料台の上に載せてスキャンするタイプです。写真や文書は固定された状態でスキャンされます。一方ドキュメントスキャナは写真や文書をローラー等を使って読取り部分に対して移動させて読取るものです。ドキュメントスキャナはその名の通り文書のスキャンが目的ですので、多くの文書を一枚ずつ順番に読取るという目的に適した方式ですが、バラ写真のようなものも読取れます。しかし、アルバムに貼った写真などは剥がさないと読み取れません。また、資料の厚さなどの制約もありますし、ローラーで写真を搬送するということにより写真にローラー痕が残る危険性もあります。資料を動かすということは、コピーなどで問題になるジャム(いわゆる紙詰まり)が発生する可能性もあります。
 
 ということで、通常の場合はフラットベッドスキャナーが写真入力にはベターであるということになります。次回は別の観点からの比較を行います。
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デジタルカメラのラチチュード

2011/12/08 13:51
 前回、フィルムのラチチュードについて説明しました。では、デジタルカメラはどうでしょう。デジタルカメラの特性を比較のために同じような図にしてみました(CCD,CMOS特性のグラフ)。フィルムの場合と同じように、縦軸横軸とも1の違いが10倍の違いに相当します。比較のために前回引用したネガフィルムの特性を一緒に示してあります。
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 デジタルカメラは入力に対して出力は直線です。(縦軸は濃度ではなく、出力です。)一見理想的ですが、デジタルカメラにはノイズというものがあります。信号とノイズの比率をSN比と呼んでいますが、おおよそ100:1程度です。いろいろな処理を施してノイズの影響を低減しますが、それでも露光量の範囲で1000:1程度が上限なのではないでしょうか。1000:1というのは下のグラフで露光量で3の違いです。従って、デジタルカメラは決してラチチュードが広いということではないのです。むしろ狭いと思った方が良いと思います。1000:1の範囲を色で塗ってありますので、フィルムと比較してみてください。

 一つ注意しておかねばならないことがあります。ダイナミックレンジという表現があります。どの明るさからどの暗さまで対応できるかというその範囲を表現しています。ただし、これはセンサーの一回の取込のなかでの範囲ではなく、条件を変えてどこまで対応できるかということを示しています。暗い時には信号を大きくしてやれば(増幅)必要な出力が得られるわけですから、そういう方法も含めてどこまでの範囲の明るさに対応できるかということを示してします。写真の撮影は、通常一回の撮影で画像が決定しますので、ダイナミックレンジとラチチュードを比較するのは好ましくありません。

 但し、デジタルカメラでは、画像の一部の出力を変えたり、露出を変えた複数の写真で合成することで広い範囲(ダイナミックレンジ)で画像を残すという手法(カメラの機能としてもありますし、画像加工ソフトにも同じ機能が用意されています)がありますので、欠点は十分にカバーできるということでしょう。ただ、撮影し終わった段階で白トビが発生していたり、黒ツブレが発生した画像は、加工しようがありませんので、やはり露出は十分に注意すべきでしょう。
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ラチチュード(フィルム)

2011/12/01 09:08
 写真の世界では、『ラチチュード(latitude)』という表現が時々出てきます。latitudeは寛容度などと訳されますが、写真の場合は、露出の許容度のことを指します。ラチチュードが広いということは、明るい側で飛んでしまったり、暗い側でつぶれてしまうようなことが無いことを指すわけです。ラチチュードが広かったり狭かったりする理由は、露出に対して得られる画像の濃淡が1:1に対応していないから起きるのです。つまり、例えば非常に明るい光を当ててしまったとき、それでも画像が飽和しなければ(白トビが発生しない)ラチチュードが広いということになるのです。このようなケースでは、写真は多少露出がずれていてもそれなりの写真が撮れることになります。逆の場合は、すぐに白トビが発生してしまったり、黒ツブレが生じてしまったりしますので露出を厳密に設定する必要があるのです。

 被写体の明るさというのは非常に範囲が広いのですが、フィルムに焼きつけられる範囲というのは限界があります。その範囲が広いものがラチチュードの広いフィルムであり、逆のものがラチチュードの狭いフィルムということになります。つまり、写真を撮るということは、被写体の明暗を限られた明暗の範囲で取り出すということになるわけです。

 そのラチチュードの違いの原因は、フィルムの特性にあります。下に代表的なフィルムの特性を図にしてみました(*1)。ネガフィルムとポジフィルムの両方を示しております。横軸が露光量、縦軸がフィルムを現像した時の濃度です。露光量と濃度の目盛の数値は1違うと実際の露光量や濃度で10倍違うように表示されております。つまり、露光量0と露光量−2では差が2ですから10倍のさらに10倍で100倍の露光量の違いということになります。(一般的にはこのような表現を対数目盛と言います。)
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 ネガフィルムは現像すると実際の被写体の明暗が反転した状態でフィルムに記録されますので、光が当たった部分が暗くなります。暗くなるということは濃度の数値が大きいということです。逆に光が当たってない場合は、明るくなりますので、濃度が低い(数値が小さい)ことになります。

 ポジフィルムはネガと反対ですから、光の当たった部分は濃度が低く、光の当たってない部分お濃度が高いということになります。ですから、グラフの傾きは、ネガとは逆になっているのです。

 両方を比較していただくとよくわかると思いますが、ポジフィルムの方が線が急峻に立ちあがっています。露光量で言えば狭い範囲で濃度が暗いところから明るいところまで変化してしまっています。ネガフィルムは傾斜が緩やかです。従って、広い露光範囲でその露光量に応じた濃度が得られるわけです。ですから、一般的にネガはラチチュードが広いと言われているのです。

 フィルムの特性で注目すべきは、露光量の多いところと少ないところで、カーブがなだらかに変化している点です。露光量に比例はしておりませんが、暗い画像や明るい画像の中にわずかにコントラストとして記録されているということです。この小さな差は、写真の微妙な表現の差として出てくるのです。フィルム愛好家はこのあたりの表現力の差にこだわっているのだと思います。また、ポジフィルムはラチチュウドが狭いということになっていますが、暗い所にも結構しっかりと像が残っていることがあります。私も、写真家の方からポジの露出不足の部分の像をもう少し見えるようにして欲しいという依頼で、データ化してから暗い部分を増幅して鮮やかな色彩を引き出して差し上げたことがありましたが、自分でも驚いてしまうほど像がクリアーに隠されていたの見た経験があります。

*1 現実の正確なデータではありませんが、概ねフィルムの特性を表しています。正確なデータは各フィルムメーカのデータをご参照願います
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最大撮影倍率

2011/11/14 11:21
 一眼(レフ)用のレンズを購入する場合、通常あまり気に留めないと思いますがカタログに最大撮影倍率という数値が記載されております。表現としては
1/4
とか
1:4
あるいは
0.25倍(0.25X)
などと書かれています。どれも同じ意味ですが、上の例ではそのレンズによる倍率が四分の一ということです。写真を撮った時に、センサーやフィルム上に実際の被写体のサイズの最大四分の一の大きさで撮影されるということです。これ以上の大きさでは写せませんということになります。

 被写体を大きく写したいということは、被写体に近寄って写す場合ですから、最も近い距離に焦点を合わせた時の話です。遠い物体の場合は、数十分の一とか数千分の一というような撮影倍率になります。例えば、スカイツリーを35mmフルサイズのカメラの長手方向一杯に写すと、634メートルが36ミリの長さに写されることになりますから1万7611分の一の倍率ということになります。

 通常、遠くのものを写す場合は、この最大撮影倍率というのは気にすることではありません。しかし、近くのものを写す時は重要なパラメータです。近寄って大きく写そうと思っても、この最大撮影倍率が小さい場合は大きく写せないからです。特に花や昆虫などを写す場合は、注意する必要があります。マクロレンズ(接写用レンズ)はその点多くの場合最大撮影倍率が1倍まで対応しているものが大半だと思います。マクロレンズ以外のものはせいぜい数分の一程度の最大撮影倍率ですから、ハエや蚊のようなものを撮っても、大きくは写せません。

 注意すべきことは、最大撮影倍率での撮影の際、レンズのF値は絞りを開いても小さくなってしまうということです。
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画素数はどこまで必要か(コンパクトカメラのケース)

2011/10/04 10:55
 デジカメを購入する際に画素数というのは気になる数値です。多いに越したことはないと普通は思います。しかし、例えば1億画素のデジカメがあったとしてそれは本当に意味があるのでしょうか? 少し前にコンパクトカメラを選ぶ(画素数で選ぶ)というブログでも書きましたがもう一度整理しておきたいと思います。

 先ず最初に前回と同じようにコンパクトカメラを例にとってみます。センサーは1/2.3型とします。1000万画素、1200万画素、1400万画素、1600万画素のそれぞれについて、画素ピッチを計算したのが下の表です。




画素数(万画素)1000120014001600
画素ピッチ(μm)1.701.551.441.34
解像可能F4.64.3


 カメラはレンズで像を作ります。ですからレンズの分解能以上の画素数を持っていても意味がないのです。ではレンズの分解能と画素ピッチはどういう関係が考えられるのでしょうか。レンズの分解能のは小さな2つのスポットが分離して見えるかどうかで判断します。この2つのスポットの間隔が画素ピッチの倍以上であれば、カメラの像としてスポットは分離して撮像できるわけです。スポットの分離間隔は概ねレンズのF値によって決まります。つまり、画素ピッチから必要なF値が計算できることになります。その数値を解像可能Fとして表の一番下の欄に入れてあります。

 上記の数値は理想的な場合です。実際のカメラでは、センサーのカラーフィルターの配列による解像度の低下やレンズの誤差(収差)による解像度の低下があります。ですから上記数値より更にFナンバーは小さくなると考えるべきです。

 また、コンパクトカメラの場合は、ズームが付いています。通常ズームを望遠側にするとFが大きくなりますので、解像度は下がります。市販のカメラでは、望遠側では画素数に見合ったレンズの解像度を維持できてないケースも多々あるかと思います。

 上記の表はコンパクトカメラの例です。最低限、ワイド側で画素数に見合ったF値となっていることを確認すればよいと思います。
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シルエット

2011/08/11 08:31
 写真を写すシチュエーションで、シルエットというのが私は好きです。全ての物体を影だけにしてしまいますので、単純化されて印象が強くなります。

 シルエットを写すには、手軽な方法は感度を上げることです。特に、人物を撮る場合には長時間露光ができませんので、感度を上げるしかありません。

 もうひとつは、画面の中の一番明るい部分でトビ(白側に飽和してしまうこと)が無いように露出を設定することでしょう。

 シルエットに他の構図を組み合わせると面白い写真になります。シルエットが見えたらシャッターチャンスが来たと頭に入れておくとよいと思います。
画像
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インクジェットプリントの解像度

2011/07/25 16:07
 インクジェットプリンタの解像度は9600×2400DPIとか、5760×1440DPIなどという数値になっています。ところが、実際に写真を印刷するのにこれほどの高い解像度が要求されるはずかありません。

 実は、インクジェットプリンタというのは、1画素を複数のドットで表現しているのです。もともと、インクジェットという方式は、インクの小さな粒をノズルから飛ばして紙の上に付着させる方式ですから、インク一粒では色の濃さは表現できないのです。しかし、写真というのは、色の濃淡で表現するものですから、濃淡を実現するために複数のドットを集めて一つの画素の濃度を決めるのです。例えば4つのドットで一つの画素を表現したとすると、一滴もインクが付着してない状態から、1滴の場合、2滴の場合、3滴の場合、4滴の場合というように、全部で5段階の濃度が表現できることになるのです。

 実際に写真を印刷する場合は、256段階の諧調が必要になります。256段階の諧調を持たせるには、単純に考えれば256個のインクのドットが必要になるのです。先ほどの例で9600×2400DPIのプリンタの場合は、縦と横の密度が違いすので、縦横を32ドット×8ドットで構成すると、256ドットになります。9600DPI側を32ドットで構成するのです。こうすると正方形の画素になるわけです。つまり、一画素が32ドット×8ドットで構成するのです。

 そうすると、9600DPI×2400DPIのプリンタの場合、1インチあたり300×300画素でプリントできる、つまり300DPI(この場合のDPIのDはインクジェットのドットではなく、一画素のドットという意味です)でプリントできるということなのです。

 また、プリンタのよっては、インクの粒の大きさを変えられるものがあります。例えば4段階の大きさにできる場合は、ドット数は64ドットで良いことになります。そうすると16×4ドットで一画素が表現できますから、先ほどの倍の600DPIでプリントできるということになります。

 さらに、インクの種類を増やして諧調を稼ぐという方式もあります。通常シアン、マゼンタ、イエロー以外に、薄いシアン、薄いマゼンタを加えると、インクだけでも2諧調が表現できます。

 従って、インクジェットの解像度は単純にインクドットの解像度だけで判断できないということになります。
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レンズのコントラスト

2011/07/23 12:20
 前回のレンズの解像度の説明で、コントラストという表現がありました。
 コントラストというのは下の図にあるような式で表現します。縦軸は、写真の明るさ、横軸はカメラのセンサー上の位置です。一番明るい部分がImax、一番暗い部分がIminです。一番明るい部分と一番暗い部分の差が大きいほど、コントラストが高くなるのです。
画像

 淡い感じの写真はコントラストが低く、くっきりした写真はコントラストが高いということになります。写真の場合、やたら解像度を追求するよりも、コントラストを高い方が解像度が良いように目に映ります。そのため、レンズの解像度には縦軸にコントラストという数値を用いているのです。

 また、広角レンズと望遠レンズでは、望遠レンズの方がコントラストが良いという話をしました。コントラストというのは、理想的なレンズで理想的な白黒パターンを完璧なフォーカスで撮影すれば、100%になるはずです。これは広角であろうが、望遠であろうが同じことです。
 しかし、現実には、コントラストは望遠レンズの方が高い傾向にあります。この理由は、現実のレンズが理想的ではないからです。そして、理想からのずれは広角レンズの方が大きいのです。

 レンズというのは、基本的に球面で構成されております。(最近は、非球面というレンズもあります。) 球面のレンズを組み合わせて写真のレンズを作っているのですが、レンズには収差というものがあり、一点から出た光が正しく一点に集まるとは限らないのです。そして、この収差というのは、球面の曲がり具合(曲率)が高い程大きくなってしまうのです。
 広角レンズというのは、広い角度の景色をフィルムやセンサーに結像します。従って、レンズの曲面が強く曲がったレンズを多く使います。光を強く曲げて、フィルムやセンサーに導く必要があるからです。曲率の高いレンズをたくさん使います。従って収差も大きいのです。
 一方、望遠レンズはそれほど光を強く曲げる必要がありませんので、曲面の曲がり方は緩やかのもので良いのです。従って収差が少なくできるということです。
 収差が大きいと、ボケが発生しやすくなりますので、コントラストが下がってしまうのです。

 また本来結像には関係しない光線(フレアー)も広角レンズの方が多くなるのです。結像に関係しない光はなるべくフィルムやセンサーには届かないようにしているのですが、ゼロには出来ません。レンズを保持する筒(鏡筒)の内側やレンズの表面で何度も反射して、最終的にフィルムやセンサーに届いてしまうのです。広角は広い角度の光線を集めてきますので、余計な光もより取込み易くなってしまうのです。

 余分な光を少しでも減らすために、カメラマンはレンズフードなどを付けたりするのですが、広角では、フードで画像が蹴られないようにしなければならないので、限界があるわけです。
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レンズの解像度

2011/07/20 15:06
 前回、フィルムの解像度についてお話しましたが、今回はカメラのレンズの解像度について書いてみます。
 レンズの解像度というのは、レイリー限界(2点のスポットが分離する間隔)という値を求めることによって得られます。式は以下のようになっております。
R=0.61×λ/(N・sinα)
 λは波長です。N・sinαのNは屈折率で、通常空気ですから1です。sinαは開口数と呼ばれ、レンズ径Dに対して焦点距離fがある程度大きければ、sinα≒D/(2f)=1/(2F)と表現できます。FはレンズのFナンバーです。よってレイリー限界Rは
R=1.22λF
となります。

 例えば波長550nm(nmはナノメータで1mmの百万分の一、写真を写す際の波長はいろいろなものが含まれてますが、緑色の波長で計算してみます)、F=3のレンズでは、R=0.002mm=2ミクロンとなります。

 但し、これはレンズの誤差(収差と言います)が無い場合の計算ですから、実際にはいろいろな誤差が加わります。原理的にここまでの解像度が計算で得られるという話です。

 一方、一眼用のレンズなどは各レンズの性能がメーカから発表されております。一般的には、1ミリ当たり30本と1ミリ当たり10本の線がどの程度のコントラストになるかという表現でデータを出しております(メーカによっては20本、40本で示しているところもあります)。MTFという表現をしております。これは上記のレイリー限界とは違った表現で、写真にした場合にミリ10本の線はヌケの良さ、ミリ30本の線は解像の良さをそれぞれ表しているそうです。直接の対応は取れないのですが、レーリー限界はコントラストとしてはかなり低い値(10%程度)でのレンズ中心の理想的な解像度を示していると思ってよいと思います。

 レンズのデータを見ていてお気づきになるかもしれませんが、広角に較べて望遠の方がMTFが良い特性になっています。これはMTFがコントラストの定義になっているためで、解像度が良いということではありません。望遠は、Fナンバーが大きくなりますので、コントラストは良くなるのです。しかし、解像度は上の式でお示ししたように、Fナンバーの小さなレンズほど解像度が良くなるのです。
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フィルムの解像度

2011/07/18 11:14
 デジカメ以前に主流であったフィルムの解像度がどの程度あったかということに着目してみました。それは、今のカメラの一つの基準になっていたからです。










種類名称メーカ1000:1解像MTF解像
カラーネガREALA ACEフジフィルム125本/mm
カラーネガエクター100コダック80本/mm(27%Green)
カラーポジVELVIA PROFESIONALフジフィルム160本/mm
カラーポジEKTACHROME e100Gコダック80本/mm(20%Green)
白黒ネガNEOPAN ACROSフジフィルム200本/mm
白黒ネガT-MAX 100コダック140本/mm(40%)

ISO感度100でのフィルムの解像度比較

 フジフィルムとコダックでは解像度の表示方法が違いますので、別々に表示しました。1000:1解像というのは、コントラストが1000:1の画像を露光した時に、1mmに何本の線まで解像できるかという定義です。解像しているかどうかの判断はデータシートには書かれておりません。コダックではMTF解像というのを使っています。シロクロの線の繰り返しのパターンを露光し、密度によってどの程度の変調度がフィルム上で実現しているかという尺度です。密度が高くなると、白黒のコントラストが下がりますので、例えば80本/mmの線の場合、20%程度のコントラストになってしまうということです。解像度の本数は、白黒の線を1本としています。ドット数で言えば2倍になります。尚、コダックの値は、公開されているデータシートから目読みで読んだものですので、誤差が含まれております。
 カラーネガでは平均100本程度ですから、200ドット/mmとなります。つまり、インチに換算すると、5000dpi程度の解像度を有するということになります。35ミリフィルムでのドット数換算では、7200×4800=約3500万画素。
 カラーポジの場合はもう少し高くなり、平均120本程度でドットでは240ドット/mmです。6100dpi程度になります。35ミリ換算では、8640*5760=約5000万画素。
 モノクロでは更にたかくなり、平均170本程度です、340ドット/mmとなります。8600dpi程度となります。35ミリ換算では12240×8160=約1億画素。

 これはあくまでもフィルム単体の解像度ですから、写した写真にこれだけの解像度があるということではありません。しかし、能力としてはかなり高い解像度を有していることがわかります。

 ただ、実感としては、ネガフィルムは粒子の影響が結構強く出てきますので上の数値よりもポジとの比較ではもう少し差があるように思います。粒子の影響を無くすには解像度を落とさざるを得ないからです。
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露出を変えて撮るブラケティング

2011/07/10 11:05
 デジカメで写真を撮って、液晶モニターで確認したにも関わらず、パソコンで写真を見ると露出が自分の印象と随分違っていたという経験はどなたでもお持ちだと思います。

 原因は、液晶モニターの表示に騙されてしまうということがあると思います。液晶モニターそのものがどの程度信頼できるかは何とも言えません。液晶モニターは本来、大雑把な画像の出力と考えるべきでしょう。適正な露出かどうかの判断は殆ど困難だと考えた方が良いと思います。まして、液晶モニターを見る環境が、暗いところから、日中の明るい屋外まで非常に環境の幅の広いところで見ているわけですから、露出の適正を判断することなど殆ど不可能なのです。

 ヒストグラムの表示が出来るカメラは結構あるとおもいますので、これで判断することは出来ないことではありませんが、ヒストグラムでは雰囲気は分りません。

 私は露出を振って写真を撮るという方法が一番良いと思います。この露出を振るというのを自動的にやってくれるのがブラケティングという機能です。この機能は一眼であれば殆ど付いている機能です。露出を変えて3枚程度撮ってくれます。その露出を変える幅も自分で設定できます。3枚撮って、あとで自分の気に入った写真を選べばよいのです。枚数は3倍に増えてしまいますが、一回しかないシャッターチャンスで自分の思うような写真が撮れなかった悔しさを後で味わうよりましです。

 それにしても、『ブラケティング(bracketing)』という言葉は、日本人にはピンときませんよね。直訳すれば、ひとくくり撮影とか一括撮影ということらしいのですが、外人にはピンとくるんでしょうかね。
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コンパクトカメラを選ぶ(感度で選ぶ)

2011/07/06 09:57
 いつも述べているように、感度の良いカメラを持つというのは、いろいろなメリットがあります。従って少しでも良い感度のカメラを求めたいということになります。

 フィルムカメラの場合は、フィルムで感度が決まっていたのでわかりやすかったわけです。しかし、デジカメではそうはいきません。フィルムが無いっ!(当たり前)。デジカメでは、ISO規格によって感度が定義されています。それを参考にすれば良いということですが、はっきり言ってしまえば、デジカメの感度はどうにでもなってしまうのです。一般に売られているコンパクトデジカメではISO100−6400とかISO100−3200などという数値を見るけることができます。これは、ISO100−6400ならISO感度が100から6400まで設定できますということです。

 じゃあ、高い方の6400にしておけばよいということになりますが、残念ながら画像がキタナクなります。画像品質が感度の定義に入ってないのです。デジカメというのは、処理系は電気回路で出来てますので、信号を増幅することは簡単にできるのです。極端なことを言えばISO64000だって作れてしまうわけです。ISO64000と謳ってカメラを売れるわけです。但し、感度は良くてもめちゃくちゃ汚い画像になるということです。

 だから、ISOの感度規定は殆ど意味がないのです。私は、ノイズがあるレベル以下になる感度を規定すべきだと主張したいのですが、フィルム以来そういう定義はなされてないようです。感度が高ければ、ノイズが多いのが当たりまえということなのでしょう。 
 
 ひとつの目安は、オートの最高感度を比較することです。オートで撮影したのにノイズだらけだといことになると、そのメーカの製品は汚い写真しか撮れないということですので、それほどキタナクならない感度をオートの時の上限に設定しているはずです。

 あと、最高感度の数値で注意しなければならないのは、最高感度で画素数が減ってしまう場合はあるのです。例えば1200万画素のデジカメでも最高感度ISO6400の時は300万画素になってしまう場合があるのです。どういうことかと申しますと、感度を上げるために、複数の画素の出力を足し算してしまうのです。4つの画素を足し算すれば、1200万画素は300万画素になってしまうのです。4つの画素を足し算すれば、原理的に感度は4倍になりますし、ノイズは半分になります。

 結論から申し上げると、あまり有効な選択手段はないということになります。暗い状態でストロボなしで撮影し、画面のざらつき具合を比較する程度のことはやってみた方が良いと思います。しかし、お店ではなかなか難しいですね。
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コンパクトカメラを選ぶ(画素数で選ぶ)

2011/06/26 11:35
 コンパクトカメラを選ぶときに画素数が多い方がよさそうだと考える人は多いと思います。画素数競争は最近は少し落ち着いてきているようですが、それでも、1200万画素は当たり前、1600万画素のものもあります。大半は1/2.3インチのセンサーです。

 本当にどこまで画素数が必要なのでしょうか。1200万画素で1/2.3インチのセンサーのケースでは、画素がおおむね4000×3000画素です。センサーの大きさが6.1×4.5ミリですから、一画素が0.0015mm角ということになります。

 一方レンズの性能から見てみるとどうなるのでしょう。今回の計算では開放F値が3(広角側)としておきます。この場合レンズの光学的な限界解像度(レイリーリミット)は0.002mmです。実際には視野の周辺ではもっと解像度が落ちます。Fを絞ればさらに解像度が落ちます。つまりレンズの解像度から考えて、コンパクトカメラの1200万画素というのはもう限界だということです。一眼レフのようにセンサーを大きくすれば、もっと画素数を増やしても意味があるのですが、コンパクトではほとんど意味がないと言っても差支えないと思います。敢えて意味があるとすれば、明から暗に変化する光の強度をいくつの画素で表現するかということで、多い方がスムースに変化するということです。被写体にレンズ能力を超える細かい線があったとして、画素数が多ければ細かい線が表現できるかというと、それは無理ということになります。

 むしろ、画素数を多くすると、一つの画素に入る光も少なくなりますので、ノイズが増えてしまいます。

 つまり、画素数で選ぶとは言っても、1200万画素は十分であり、画素数が多いカメラを選ぶという選択方法はあまり意味が無いと言ってよいでしょう。とは言っても、1000万画素以下のカメラを探すのは今では困難です。
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コンパクトカメラの選び方(F値で選ぶ)

2011/06/23 09:36
 コンパクトカメラを選ぶ場合、性能で比較するのではなく、外観とか機能などで選ぶ人が多いと思います。でも、少しでも綺麗な写真を撮ろうと思うのであれば、レンズと感度位は少し気にしたいものです。レンズもどうでもよいという選択の仕方をするのであれば、わざわざコンパクトカメラを買い求める必要はなくて、携帯カメラでも良いというのが私の考えです。携帯カメラとコンパクトカメラの大きな違いは、何と言ってもレンズです。

 結論から言えば、とにかく明るいレンズにした方が良いということです。明るいレンズにするとは、F値の小さなレンズのついたカメラを選びましょうということです。F値というのはカタログには開放F値と書かれています。どの程度違うかというと、以前F値のことは書きましたが、F値の2乗の逆数が取り込める光の量の目安です。F3.4のコンパクトデジカメでは、3.4の二乗の逆数が0.086、F2では、二乗の逆数は0.25です。従って、0.25÷0.086=2.9倍ですから、F2のコンパクトデジカメの方が3倍近く明るいレンズを持っているということです。シャター時間は3分の1で良いということになります。これは、夜の撮影に有利ですが、昼だってそれだけ感度を落として撮影できますから、ノイズの少ない写真が撮れるということです。

 具体的には、F2.0以下ぐらいがあるとベストですが、そうなるとコンパクトでは非常に少なくなります。せめてF2.8以下にはしたいところです。コンパクトカメラは殆どズーム機能が付いてますから、開放F値も例えば3.5〜5.8というように、範囲で書かれてます。小さい数値の方に着目してください。これが広角側の開放F値になります。

 一つの選び方を知ると、外観とか機能がいくら良くてもそれだけじゃだめでしょうという気分になります。でも外観にも拘りたいというのは誰にでもあります。そういう時は、両方満足できる製品が出てくるまで待つということも選択肢ではないでしょうか。

http://www.photosepia.co.jp
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アラーキー

2011/06/16 11:06
 昨日、写真家荒木経唯とビートたけしの対談をNHKで見ました。写真は贋物、現実の模倣であって創作ではないという考えは頭を殴られたような感じがします。写真を撮ろうとすると、どうしても上手に撮ろうという意識が働いてしまう。そのことを排除して、写そうとしているものの中身というか臓物を引きずり出してやろうというそんな感じがする写真。写真は残すものだという原点に立っている。どこからか、写真は創作というようなポジションを占めるようになっているけれど、原点は創作ではなかったというのは説得力がある。

 そういえば、写真家と呼ばれ、あるいは自称し、『家』が最近はついてしまっている。芸術の一部を占めるようになってからかもしれない。写真技師が写真家になった時から写真本来のものが失われてしまったのかもしれない。

 もうひとつ、写真はガラス越しの窓と言っていた。自分が何分の一か写るという意味だそうです。それは写す側の個性が写真に現れるということだと思います。残す物の中に個性が出るというのは、逆説的ですが、たぶん、中身の引きずり出し方に個性が出るという風に勝手に解釈してます。
http://www.47news.jp/araki/
で『アラーキーの幸福写真』が見られます。
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5周年

2011/01/17 20:53
このブログ、5周年を迎えました。1万人以上の方に訪問していだだき、48467件のアクセスを頂いております。最近ちょっとサボリ気味ですが、これを機にもう少し地道に書いてゆきたいと思っております。また、多くの方からブログ気持ち玉をいただき、この場を借りて御礼申し上げます。
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コンパクトカメラは背景がボケない・・その理由

2010/09/27 20:15
 一眼カメラとコンパクトカメラではボケ味に差があるということになっています。それが、一眼カメラのセールスポイントにもなっています。つまり、一眼カメラは背景のボケを出しやすいので、プロの撮った写真のようになるというわけです。

 では、なぜコンパクトカメラは背景がボケないのでしょう。
 カメラには被写界深度というものがあります。ある物体に焦点を合わせたとき、その前後のどの範囲までが、ボケを発生させない範囲かということです。この被写界深度というのは、レンズのF値が同じであれば、ほぼカメラの撮影倍率の2乗に反比例します。撮影倍率が1倍のレンズに対し撮影倍率が5分の一のレンズでは被写界深度は25倍になるということです。撮影倍率というのは、レンズからフィルム(又はCCD)までの距離bをレンズから被写体までの距離aで割った値です。
画像


 同じ被写体を同じ位置から一眼とコンパクトで写した場合で考えてみます。同じ被写体を同じ位置から写していますから、aの値は同じです。一眼はbの値は数十ミリから数百ミリになることがほとんどです。一方コンパクトカメラでは、数ミリから望遠側でせいぜい20から30ミリ程度でしょう。つまり、撮影倍率という点ではコンパクトカメラの方がかなり小さくなるのです。同じ大きさの被写体を一眼カメラの数分の一の大きさのCCDに写すのですから、当然です。

 上でも述べたように撮影倍率の2乗に反比例して被写界深度が決まるのですから、コンパクトカメラは被写界深度が深くなるのです。例えば一眼の倍率が1/20倍(=0.05倍)だっとします。コンパクトならおそらく1/100倍(0.01倍)くらいです。つまり、被写界深度ではそれぞれの二乗に反比例しますので、400対10000、つまりコンパクトの方が25倍被写界深度が深くなるということです。

 被写界深度というのはボケの逆数です。深度が深いというのは焦点位置からずれた像のボケが少ないということです。つまりボケは撮影倍率の二乗に比例するということになるのです。これは計算でも簡単に導きだせるのですが、ここでは省略します。ここで注意すべきことは、このボケ量は、センサー上でのボケ量ということです。同じサイズのプリントにした時のボケではありません。上でも述べたようにコンパクトカメラは撮影倍率が小さいのでボケは小さくなります。しかしセンサーも小さいのでボケの大きさが五分の一になっても、センサーの大きさが5分の一なら相対的にボケは同じということになります。写真に写った時は同じボケ量になるのです。ところがボケは撮影倍率の2乗に比例しますので、センサーの大きさの比率よちもさらにボケが小さくなるということなのです。

 このように背景ボケ(焦点位置からずれた像のボケ)は、一眼に比べてコンパクトでは少なくなってしまうということがおわかり頂けたと思います。

 ここまでの議論で、ひとつ分ったことがあります。最近はやりのミラーレスのことです。ミアラーレスは、一眼レフからミラーをなくし、レンズと撮像素子の間の距離を縮め、カメラも小型軽量にしているのですが、その意味ではコンパクトに近づいているのです。つまり、小型化されたミラーレスは大型の一眼に比べて背景のボケが少なくなるということです。とは言ってももコンパクト程撮影倍率を小さくしているわけではありませんので、一眼なみのボケ味が出せるということでしょう。
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3Dではなくて2D

2010/05/25 09:50
 先日テレビの映画コマーシャルで、3Dと表示され、しばらくして、それにバツが打たれ、2Dと改めて表示したものを最近見て、思わず笑ってしまいました。2Dというのは当たり前の従来の映画ですから、3D映画流行りの皮肉でしょう。

 写真も3D用のカメラなども出てきてますが、これが本当に受け入れられるのかは疑問です。映画が3Dとして成立するのは、相手が動いているからです。物体が奥から手前に動いているからそれを立体で見ることで迫力がでるのです。

 しかし、本当の3Dは人間の見ている世界です。それは、両目で見て物体が立体的に見えるだけではなく、自分が動くことで物体の側面とかが正面から見えなくても見えてくるというものです。今言われている3Dはカメラが固定されていますので、自分が動いてもほとんど意味がありません。AR(拡張現実感)と呼ばれているものの中には、自分が動くことでそれを立体視の中に反映させるものもあるようですが、いわゆる3Dテレビではそれはできないのです。但し、映画やテレビのように相手が動いてくれる場合は、意味があるのです。

 従って、静止画の3Dというのは私はそれほど意味があるとは思えません。むしろ、2Dの中で如何に3Dを感じさせるかということ重要だとおもうのです。

 なぜ、こういうことを書いているのかというと、写真をよりよく撮ることのポイントがそこにあるからです。私が写真を撮る時に真っ先に意識するのが、奥ゆき感、遠近感だからです。それをなるべく二次元(2D)の中で表現するか、あるいは、敢えて遠近感を排除して写すかというどちらかを考えます。遠近感の出し方、遠近感の抑え方は過去にも何度か触れていますが、これを機会にもう少し整理してみたいと思います。
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写真の色調整(3)

2010/04/22 09:52
 色の調整の方法でよく用いられるのが、カラーバランスです。
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 通常、上図のようなダイログボックスが表示されます。3つのスライダを動かして調整を行いますが、右にレッド、グリーン、ブルーと書いてあります。いわゆるRGB光の3原色です。反対側には、シアン、マゼンタ、イエローとなっていて、色の3原色です。

 この意味を色度図というもので説明します。色度図は下図のようなものです。XYZ表色系と言われています。
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 簡単に言えば、全ての色を2次元のグラフの中で表示したものということです。色空間とも言われています。但し、明るさは一定という条件です。図の中にR、G、Bの3点の三角形があります。これはsRGBと言われている色空間の三角形を示しています。パソコンとか、デジカメがこのsRGB規格に基づいて作られているのであれば、同じ色で表現できるというわけです。
 パソコンなどのディスプレイは、拡大してみると赤と青と緑の3原色の小さなドットで構成されています。この3つのドットを使って様々な色を表現するわけです。つまり、上の図の三角形の内側の色が表現できるのです。

 上の三角形の中に白い矢印が3本記入されております。三角形の中心は白ですが、白を中心として緑の反対がマゼンタ、赤の反対がシアン、青の反対がイエローになっているのです。
 もうお分かりですね。色調整のカラーバランスはこの3本の矢印上のどこに色を配置するかということを示しているのです。
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写真の色補正(2)

2010/04/14 13:18
 先ずは、自動補正を試してみるのが良いと思います。自動補正は、スキャナーなどに付属しているソフトに含まれている場合が多いと思います。
 しかし、前回お話したように、自動補正では補正しきれないものが2〜3割はあります。
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 上の写真は補正前の写真です。赤茶けてしまっているのがお判り頂けると思います。写真の右側に、ヒストグラムが示してあります。これは写真の中の赤、緑、青の成分がそれぞれの強度がどの程度の頻度で表れているかを示しているかを示しています。写真をデジタル化したり、デジカメの写真のデータを見てみると、大半は256段階の色を使って表現しております。これは2の8乗という数値から来ているのですが、2進数の8ビットで各色を表現しているためです。赤を256段階、緑を256段階、そして青を256段階の色で表現する訳です。
 ヒストグラムの右端は255というレベルです。ヒストグラムの左端は0というレベルです。もっとわかりやすく表現しますと、たとえば赤の場合、レベル255は一番強い赤、即ち真赤ということです。レベル0は一番暗い赤=黒ということになります。上の写真のヒストグラムは4つ表現されておりますが、一番上のグラフは赤、緑、青を合成したものですので、とりあえず無視してください。下の3つのグラフが重要です。上の例では赤は47〜213の間に分布しています。二番目が緑で0〜209に分布しております。3番目は青の分布です。
 上の写真は比較的に空が多く写っています。それも雲が多い空です。補正の目安として、雲は重要です。雲を白くすることが補正をする上での一つの方針になるからです。
 もうひとつは、木とか芝生の色です。上の写真の場合は木々の色を緑色にすることが必要です。あとは、ヒトの肌の色でしょう。補正をするためには写真をよく観察し、それらに含まれている要素が本来の色になるようにするということを常に意識しておかねばなりません。
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写真の色補正(その1)

2010/03/19 23:12
 写真の色補正について少し述べてみます。

 昔の写真は色あせが生じています。それを補正する場合、モノクロ写真なら基本的にコントラストだけですから、それほど難しくないのですが、カラー写真ではそうは行きません。

 カラー写真の補正は、最近はソフトで簡単にできるようになっています(もちろんデジタル化する必要はあります)が、必ずしも上手く補正できるとは限りません。それは、コンピュータは画像を見ていないからです。色の偏りなどを見たり、色の分布を見ているだけです。そして、バランスをよくしたり、暗い色から明るい色まで全域に色を配分するということで、補正を行っているのです。多くの写真は、これらの方法で結構綺麗に補正できます。しかし、どうしても補正できないもの、補正することにより却って悪くなってしまうものなどがあります。一例としてよくあるのは、夕暮れの写真です。これを自動補正すると、夕暮れの赤い色がなくなってしまいます。コンピュータは赤が多いと判断し、赤を少なく補正してしまうからです。

 そこで、マニュアルで補正する、あるいは、コンピュータによる自動補正に加えてマニュアルで補正する方法を知っておくといざという時に困らなくて済みます。

 ここでは私なりのカラー写真の補正のポイントをご説明します。それは、プリント写真の構造から考えることです。この考え方が私には一番しっくりきます。どういうことかと申しますと、カラープリントは3つの層からできているということを念頭におくということです。つまり、シアン、マゼンタ、イエローの3層です。(プリントは、レッド、グリーン、ブルー(RGB)ではありません。)

 ちなみにシアンはこの色()、マゼンタはこの色()、イエローはこの色()です。

 色の劣化を考えたとき、この三つの層が各々独立に薄くなったと考えるのです。シアンとマゼンタが薄くなれば、写真はイエローが目立ちますから、黄色っぽい写真になります。

 いろいろな古い写真を見てきた経験では、ほとんどがこれに当てはまります。大体、この3つの色のどれかが強くなった写真が多く見られます。皆さんも古い写真でなんとなく紫っぽい写真とか、黄ばんだ写真とか、青っぽい写真というのをご覧になったことがあると思いますが、この3色が元になっているからです。

 ここで述べていることは、プリント写真だけではなく、デジカメ写真にも適用できます。デジカメ写真はシアン、マゼンタ、イエロー(CMY)ではなく、RGBでできていますが、両社は相互に変換可能ですので、CMYで考えればよいのです。

 次回、もう少し具体的な方法について触れてみます。
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人物写真 カメラを見てない時がチャンス

2010/02/22 09:37
 写真の多くは記念撮影であることが多い。従って、人物はカメラの方を向いている。しかし、ほとんどの場合、つまらない写真にしかならない。記録としての写真としてはもちろん価値がある。しかし、第三者が見て、面白い写真にはならない。当人にとっても印象的な写真にはならない。

 面白い人物写真を撮ってみたいと思ったら、カメラを見てない写真を撮ることが第一条件になる。顔の表情があってもよいし、なくても構わない。それは、その時に何を表現したいのかで決めればよい。表情がない方が良い場合だってある。
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 面白い写真ということではなくても、記念撮影の場合だってカメラを見てない写真の方が印象に残る場合がある。自然な表情、自然な仕草が残っている写真というものは、意外に少ないのだ。私は集合写真を撮る時に皆が集まっている最中の写真をよく撮る。「写しますよー、ハイ・チーズ」という前に撮る。そうすると、「エーッ、もう撮ったのぉ」と不満そうな顔をされるが、その顔も撮る。そういう写真だけ集めて家族の写真集を作ってみてはいかがだろうか。
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多重露光、バルブ露光

2010/01/27 08:45
 先日、横浜の新聞博物館で開催されている報道写真展に行ってまいりました。6月頃開催される世界報道写真展は、世界の報道写真家の写真が対象ですが、こちらは日本国内が主体です。どれも素晴らしい写真でしたが、ひときわ印象に残ったのは沖縄石垣島でとったホタルの写真でした。連続で一秒間に数コマ以上でシャッターを切って、もちろんストロボは使っていません。かなり感度を上げているようですが、真っ暗やみでホタルが飛ぶ軌跡が点のつながりで表現されていました。おそらく、真っ暗やみではなく、日没直前のような多少光がある状態で撮った写真だと思います。背景の草木の緑がきれいに出ていました。(著作権がありますから、ここではご紹介できなくて申し訳ありません。)

 これから想像するに、連続で一秒間に数コマの撮影を行い。その画像を加算したものと思われます。フィルムかもしれませんがこの場合は多重露光をしたことになります。
 最近のデジカメではコンパクト機で多重露光ができるものがあるようです。デジタル一眼(レフ)の中にも機種によっては可能です。多重露光が使えない場合は、取り込んだ画像をソフトによって多重化することも可能です。但し、私が知っている限り、単純加算できるようなソフトは見当たりませんでした。加算平均をするソフトがほとんどです。しかし、このケースでは平均ではなく、単純に加算だけしてもらいたいのです。もしご存じの方が居られたら、ぜひお教え下さい。

 多重露光ができない場合は、バルブ露光があります。この場合、シャッターが開きっぱなしですから、上の例のホタルの場合、光が線になってしまいますしホタルの光と背景の明るさのバランスを取るのが難しいかもしれません。バルブ露光は、一眼なら必ずできる機能です。
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キャッチライトを使ってみる

2010/01/06 13:11
 目に光が当たっていると、目が生き生きしてきます。これをキャッチライトと言いますが、ポートレートや近くで人物を写す時は、なるべくキャッチライトを入れるべきです。
 目の反射光が入るように写す方向を決めればよいのですが、背景の関係で難しい場合があります。そういうときは、人為的なキャッチライトを導入します。ストロボを使えば簡単にキャッチライトが入れられますが、ランプを点灯したり、反射板をつかうことでも実現できます。カメラの後ろ側を明るくすれば簡単に入れられます。
 キャッチライトを導入すると、目がいきいきしてきます。キャッチライトの有無を下の写真で比べてみてください。まったっく印象がかわるのがおわかりいただけると思います。正に、目のかがやきです。
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ちょっとだけ見せる

2009/12/28 15:20
 面白い被写体に出会ったとき、それを正面から全部写してみたくなるのは当たり前です。でも、それでは面白みがなくなってしまいます。そこで、全部を見せずに、一部だけを見せるという方法があります。少しだけ見せることで、見る人はこれは何だろうと思います。つまり、注意をひきつけることができるのです。その為には、ちょっとだけ見せることと、他のものへは注意が向かないようにすることです。注目すべきものはちょっとだけ見せ、他のものは写さないかぼかしてしまう。

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 上の例では、注目してほしいのはあくまでもかぼちゃです。中心に入れてしまうと、それは単にかぼちゃを写しただけで終わります。一部、それも一見してなんだかよくわからないものであれば、なんとなく不気味な感じすら出てきます。
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